出汁に使われ主に関西地方では「いりこ」と呼ばれる煮干しで、中でもカタクチイワシを使った「いりこ」で日本一と称されるのが、瀬戸内海に浮かぶ小島「伊吹島」の「伊吹いりこ」です。
「伊吹島産いりこ」は、伊吹島の沖合で漁獲されたカタクチイワシを用い、伊吹島で加工された煮干魚類で、伊吹漁業協同組合が取り扱うものという基準があります。
「伊吹島産いりこ」には、「大羽(おおば)」「中羽(ちゅうば)」「小羽(こば)」「かえり」という4つの種類があります。
また、白口のカタクチイワシが上級とされますが、その中でも鱗のついた俗称「銀つき」とよばれるごく一部は最上級品で、主に料亭などで使用されています。
伊吹島産いりこが日本一と呼ばれるわけは
鮮度が命の煮干いりこづくりし。伊吹島周辺の豊かな漁場で漁獲されたカタクチイワシは、海水氷で満たされた高速運搬船で直ちに帰港し、海岸沿いに建つ伊吹いりこ加工工場へフィッシュポンプをい使って直送されます。
漁獲から30分以内に洗浄・選別までされたカタクチイワシは、すぐに煮沸ののち機械乾燥され、翌日には選別出荷が始まります。この鮮度を維持できる一貫体制が、上質な伊吹いりこのおいしさの秘密なのです。
伊吹島とは
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緑濃き 豊かな島や かかる地を 故郷にもたば 幸せならん 金田一春彦 作
瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ、周囲5.4kmの小島「伊吹島」は、江戸時代末期より周辺の良好な漁場を生かした「伊吹いりこ」の産地として有名です。
人の住む島としては香川県西端となるこの島には定期船も就航しており、瀬戸内国際芸術祭の会場の一つにもなっています。
煮干しいりこの良しあしは次の4つがポイントです。
- 脂肪が少ない:脂肪が多いと脂焼け(黄褐色)が出て、味も渋くなります。
- 程よく乾燥している:水分が18%以下のものが良品。20%を超えるとよくありません。
- つやと照りがよい:つやや照りの良いものが良品とされます。
- 折れや腹切れのないもの:折れや腹切れの無いものが良品とされます。